2023/05/17 12:22


今更ですが春休みに京都に遊びに行って来ました。目的の一つが京都市京セラ美術館・新館東山キューブで開催されている特別展を見ることでした。この特別展「跳躍する作り手たち」はアート、デザイン、テクノロジーの分野で人と自然の未来を見つめ活動する現在進行形のアーティストを紹介する展示会です。東山キューブ自体が古い洋館の建物をリノベして、アンティークな雰囲気を残しつつ、大きなガラス張りで採光を取り入れ、和式の庭園も眺められる素敵な場所でした。


会場には土とガラスをミックスして成形した鍾乳洞のようなオブジェ、木彫りに漆を何度も塗りガラスのように光沢を出したオブジェや、竹を編んで有機的なオブジェに仕上げたもの、年輪を生かし緻密な模様を作り出した木のオブジェ、陶器、再生ガラスのオブジェなど工芸寄りの作品がまず展示してありました。


次は古いタオルや綿棒を敷き詰め真っ黒の地層と地上にワイヤーによる建物を用いて年月の移ろいがアクリルガラスを通して見れる大型作品や古い壁にコラージュしたもの、生の花をアクリル樹脂に閉じ込めたツリーや生花をアルミで鋳造した花々をあしらった鹿のオブジェなどのアート作品へと展示が移ります。


次に西陣織の技術をソフト化する試みの展示やアクリル樹脂の固まっていく様を大きなシャンデリアにしたものやデジタルデザインされた洋服など伝統と最新化学との融合というテーマへと変わり、最後は出口にある真っ白な部屋にあるいくつかの形の灯りが自然な光が満ちた部屋の中、点いたり消えたりして自然と人の作り出したものが柔らかく調和していると感じさせる展示でした。


アーティストのインタビュー動画もあり拝見していると、クリエイティブな活動をされてる方は永遠の厨二病みたいなところがあるよな〜と思いました。常に自然界と対話(心の中で!)をしながら、目に見えないものへの畏怖と愛おしさを見える形にしてみたい衝動と、他者を通じて内なる自分の発露を表現したい強欲さ。大人になったら手放していく筈のものが手放せないで、ずっと握り絞めながら生きてるんだな、でもそれこそが生きてるって証だと思うんだよと勝手に動画を見ながら納得している私(笑)


きっと展示会のテーマはこんな陳腐なことではなく、「この時代の自然とアートと工芸は現代化学や技術を取り入れながら、美しく調和する未来に向かって今も現在進行形なのです。」って事だと思います♪ご興味ある方は6月4日迄の開催ですので、是非足を運んで見てくださいね。